ChocolateLily MAKIには香水事業というものが、かつて存在した

ある作家と二人で計画を進めていたが、どちらも精神的に弱いので頓挫してしまった

今でもその野望は捨てずにいて、資金の調達やら計画を練っている。

今から3年程前、勉強をする為に香水を出しているブランドの店舗へ足を運び、ひたすら香水のノートや調香師、制作背景について聞いて回っていた。

ある日、暇つぶしで観ていたフランス映画にGUELRAIN,Jicky(ジッキー)という香水が登場した。

一瞬の会話の中に私の心は支配されてしまい、どうしてもその香りを知りたくなった。

私の住んでいた街の、その店舗では取り扱いが無かったものの、お店の方が隠し持っていたジッキーを出して貰えた。

試香紙に吹きかけられた香りに、私は惚れてしまった。

今までのどんな恋愛よりも、真っ直ぐに突き刺さる。

私は香水に恋をした

香水にここまで心を打たれた事は初めてだった

相手は130年も昔に造られた香り

当然の事だが、新しさすら感じさせる

GUELRAINにはそれから何度か通い、ゲランの歴史、調香師、香水の名前、その香水がイメージしたもの、誰の為に造られた物か、など、様々な事を聞いた。

毎晩、ジッキーを身に纏い、移りゆくノートを感じながら眠る。

季節、時間、体調によって変わるノート。

聞けば聞くほど、知れば知るほど、私の求めていた夢は遠のき、勝てない存在を私の中で作り上げてしまったのだ。

挫折に終わったのでは無く、穏やかに終わる夢

今でも香水事業を進めているが、私の中では遊びだと思っております。生きているうちにできたら良いな、と思うくらい。

その日が来るまで、私は毎日、物を作り続けます。